住宅街の門を抜けると、そこには素敵な和カフェがありました。

どーも、ニートです。

 

散歩はいいものです。散歩をしていると心のアクが抜け落ちていくように感じます。山菜よりも大量のアクを抱えたニートにとっては重要な習慣です。

 

そんな心のアク取りをしていると、時々気になる看板やお店を見つけることもあります。つい先日の散歩の際にも、住宅街の中にひときわニートの目を惹く看板がありました。

 

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「草もちあります」

 

草もち、桜もち、かしわもち……。洋風のお菓子も嫌いではありませんが、和風のお菓子は言うも更なりです。草もちの看板に惹かれてお店の名前を見上げます。

 

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「庭園ギャラリー いち倫」

 

良い名前ですね。何が良いって、パッと見、名前だけでは何のお店か分からないところが良い。こういうセンスは嫌いではありません。

 

門の方に目を移して見ると、「おいしいコーヒーをどうぞ」といった看板や営業時間の立札から、どうやら喫茶店であることがうかがえます。

 

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ただし、それ以上の事は分かりません。こちらのお店、黒い門でぐるっと一周を囲まれていて、門の中が外からは簡単に見えないようになっているからです。

 

こういうことをされると中に入るしかありません。ニートは何かを隠されると中を暴きたくなる、趣味の悪い生き物です。早速、2メートルはあろうかという門をくぐり抜けて中へ入ります。

 

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すると、目の前に現れたのはまず立派な庭園。なるほど、庭園ギャラリーとは文字通り、庭園の美しい喫茶店を示していたようです。

 

住宅街の中とは思えないほど静かで穏やかな庭園を抜けると、今度は店の入り口が現れました。

 

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なんて言うんでしょうね。建物だけを見ると、洋風の外見に見えなくもないのですが、上手く周囲の景色とマッチしているために、不思議な空間になっています。こういうワクワク感は久しぶりです。

 

入り口を入ると、まず靴を脱いで座敷へと案内されます。

 

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さきほどは庭園ギャラリーの「庭園」の部分を見てきましたが、「ギャラリー」の部分は店内にあったようです。店内には、陶磁器で作られた動物たちの置物、茶碗や湯飲み、オーガニック野菜、衣類など様々な商品が展示されています。

 

うん、こういう雰囲気はいいですね。畳の感触を足裏で味わうのも久しぶりです。

 

一席一席がとても広く、落ち着ける造りになっており、ニート以外にも1人のお客さまは少なくありません。1人で楽しめるお店は良い店だと相場が決まっております。

 

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さっそくメニューをいただき「とっと木セット(735円)」という、緑茶と草もち、お漬物のセットをオーダーします。オーダーから待つこと10分ほど、目の前に置かれたのがこちら。

 

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1人用の小ぶりの急須と、お盆の上にちょこんと置かれた青い花が可愛らしい。他のテーブルを見ると、すべてのセットに何かしらの小さな花が添えられているようです。

 

意味が無いと言えばありませんが、こういう小さな風情とゆとりを忘れたらいけませんよね。人生にゆとりは必要です。社会にもニートというゆとりが必要なはずです。……きっとそう。

 

まあそんな社会のアクのことは置いておいて、別皿には漬物、梅干し、きゃらぶきも添えられています。画像がぶれてしまったのが残念です。

 

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いいですよね、どこか懐かしさを感じさせるラインナップです。お茶が冷めないうちにまずはズズッと一口。深めに蒸してある緑茶は濃い味をしているのですが、決して渋くはなくすっきりとした飲み味。

 

身体の芯から温まる味です。

 

天然のよもぎを使った草もちも、ねっとりとした食感ではなく、少しシャキッとした噛み応えで、ほんのりとした皮の苦味が中の粒あんとよく合います。

 

口の中身があんの甘みで満たされたころに、きゃらぶきや漬物の濃いめの塩気を味わってまたズイッとお茶を一口。良いですね、心が満たされる感じがします。

 

ニートの祖母の家は農家だったので、農作業の合間にはこうやってお菓子と漬物と一緒にお茶を楽しむ時間がありました。もちろん、こちらでいただいたものの方が美味しく、質も良いのですが、その時の情景を思いだし、ひどく懐かしい気持ちになりました。

 

本当に穏やかで、気忙しい雰囲気が一切なく、時間を味わうという事を久し振りに思い出した良いお店でした。皆様も日泰寺参拝の折にはぜひお越しください。お一人でも複数でもお勧めしやすいお店です。

 

以下に、「庭園ギャラリー いち倫」さんの情報を記載しておきます。

 

住所: 名古屋市千種区西山元町1-58

TEL: 052-751-1953

定休日: 月曜・火曜・祝日

営業時間: 10:00~17:00