近所の時計屋さんへ人生初の電池交換に行ってきたよ
もうすぐ友人の結婚披露宴があります。春ですね。いったいいつになったら私に春が来るのでしょうか。
まあ、そんな来るか来ないかも分からないような絵空事は置いておいて、結婚披露宴と言えば、当然スーツでの参加です。そしてスーツと言えば時計です。私も何本か安物の時計を持っているのですが、そのすべてが動かなくなってしまっています。
小学生の時から心の成長が止まってしまっている私のようです。再び時計の針を進めるためにも、時計屋さんに電池修理をお願いに行かなければなりません。
ただ、実はわたくし、時計の電池交換に行くのはこれが初めてです。というか、時計屋さん自体が初めてです。時計って他人から譲ってもらうか、ハンドメイドのお店で買うかしかしたことがないのですよね。
本当に縁遠い存在でしたが、私も自称とは言え、曲がりなりにも個人事業主であり社会人。いつまで経っても時計屋さんが怖いなんて言ってられません。
知り合いのオバサマへの入念なリサーチの結果、「ここが良いよ」と勧めてくれたお店がありました。それが、地下鉄本山駅から徒歩数分の位置にある時計屋の「タカギ」さん。
うん。いや、普通に町の時計屋さんなんですけどね。
中に入ると、職人気質っぽい眼鏡のオジサマが1人。「いらっしゃいませ」と一言。
「電池交換をお願いしたいんですが……」と時計を差し出すと、「電池交換ね」とだけ告げられ、時計を作業台へと持って行かれます。
おいおい、放置プレイですか。というか、値段を聞いていないし、作業時間も分からないんですけどと思いつつ、オジサマの手元を見ると、作業台へ向かってぐるぐると時計を回して眺めてらっしゃいます。
あれです。ルービックキューブを揃えるのがめちゃくちゃ上手い人が、最初にぐるぐる回して眺めるのに似ています。とりあえず急いでいるわけでもないので、オジサマの手元を見ていると、次々と外されていく時計のネジ。
ほー。やっぱり職人さんの手元って見ているだけでも面白いです。あっという間に時計の裏面の板が外され、電池が交換されていきます。1つの時計に対して時間はわずかに5分もかかっていません。
もちろん、お世辞にも接客が良かったとは言い難いですが、こういう手際の良さを見ると、全部どうでもよくなります。ぶっきらぼうだけど、技術がある男の姿ってやっぱり憧れの1つですよね。
それでお代は1つ680円。2つ合わせて1360円でした。作業時間も時計2本を合わせて10分もかかっていません。初めてだったので勝手も分からなかったのですが、こんなに早く済むのなら、もう少し早く来ておいても良かったかもしれません。
ちなみに時計の職人と言えば、私の好きなテレビ番組で「修理、魅せます」という番組がありました。
昔っから私は技術職の人間の作業を見るのが大好きで、料理人の手作業や工場のおっちゃんの手元をよく眺めていたのです。人間の身体を使って、普通ではできないことを技術と訓練によって成し遂げるって姿はやっぱりカッコよく映るものですよね。
私も、どうせなら他人からカッコいいと言われる仕事をしたいものだと思う一日なのでした。