地元の友人の結婚披露宴はただの同窓会

先日、地元の友人の結婚披露宴に参加してきました。というより、今回の帰省はその友人の結婚披露宴に参加するためなのですから、これがある意味メインイベント。余談ですが、何でメディアはメインをメーンって書くんでしょうね。剣道経験者なのでしょうか。

 

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そんなメーンイベントには、もちろん普段は着ないスーツを着てビシッと決めて行ってきました。顔がビシッとしてるかは不明ですが、少なくとも気持ちはビシッとしていたはずです。

 

田舎の結婚披露宴は、中高時代の同級生よりも新婦の親戚一同、果てはその関係者の方が多いぐらいで、私のような25歳の良い年をした大人世代でも十分にニュージェネレーションズ。「〇〇さんとこの息子さん!?えらい大きくなって~」なんて会話があちこちで聞こえてきます。

 

というより、半径5km圏内ぐらいに住む大人に「〇〇(名字)です」と伝えると、「〇〇さんとこの息子さんか~」と返ってくることがマジで恐ろしい。田舎のネットワークは川の流れよりも早く、納豆よりもしつこいので悪いことはできません。私が悪いことをすると、親の評判まで落ちてしまいます。……10年前は、そんな事気にもしなかったのにね。

 

そんな世間体とやらを気にするようになってしまった自分自身のことを、ふと寂しく思いつつ同級生たちとの久しぶりのあいさつ。成人式以来一度も顔を合わせていない友人も多いですが、顔を合わせれば今でも中学・高校時代を思い出せます。

 

というか、みんな落ち着きましたね。ウェーイ!!!!なんて言っていた中高時代がウソのよう。社会人になって揉まれると、こんな風になるのでしょうか。それとも、ただ単に年を重ねたせいでしょうか。寂しい気持ちもありつつ、感慨深い思いもありつつです。

 

仕事を聞くと、介護施設のメンバーだったり、民間の研究職をやっていたり、工場長をやっていたり、タバコ農家をやっていたり、自販機設置の営業をやっていたりと、内容は様々。こうして職種を聞いていると、「ああ、本当にみんな社会人になったんだなあ」と感じさせられます。

 

私ですか?一応個人事業主ですよ。日雇いや単発のバイトもやっていますが、フリーターではありません。いえ、ほんと。日雇いはあくまで奨学金返済のためですからね。一応個人事業主です。……いつか、胸を張って「個人事業主だよ!」と笑って言えるようになりたいですね。

 

そんな私の儚い願望はともかく、私の地元では、こうした冠婚葬祭の席は即座に飲み会に変わります。結婚披露宴の片隅には焼酎が一升瓶で何本か置かれていますし、何より目上の人とのご挨拶も全てお酒を片手に行わなければなりません。

 

このお酒を使ったあいさつに関して、私の地元には変わった風習があります。目上の人が焼酎のグラスを渡してくるので、それを目下のものは受け取って口に含み、自分の口を付けた部分のグラスを手で拭いてまたお返しするというあいさつです。酒どころならではの風習といった感じでしょうか。

 

結婚式の際などは、親戚の代表が何名もご挨拶に来るので、これだけでもけっこうなアルコールを摂取することになります。昔は口に含むどころではなく、グラス1杯を飲み干さなければならなかったらしいので、今はだいぶ楽になった方かもしれません。

 

田舎の企業や地方公務員の面接では「あなたはお酒が飲めますか?」という質問が来るということで、以前インターネットの若者たちに「田舎の企業や公務員は酒を飲むことしか考えていない」と批判されていましたが、実情はお酒も飲めなければご挨拶すらできない文化だからだとも言えます。

 

そんな田舎流のご挨拶を済ませ、友人の結婚披露宴も無事に終了。すると、2次会はもちろんお酒を飲むためのバーへ直行。さすがにアルコールがきつくなってきたので、3次会は〆のラーメンで胃の中を洗浄してきました。

 

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地元に新しく出来た10倍の辛さとやらのラーメンですが、これがなかなか美味い。アルコールで緩んだ味覚を締め直すには、このぐらいの刺激が必要です。ごちそうさまでした。

 

それにしても、結婚披露宴なのに飲んで食ったことしか頭にない。新郎新婦の晴れ姿も見たはずなんですけどね……。いやまあ、披露宴なんて同窓会みたいなもんですから、それで十分といえば十分なのかもしれません。少しだけきつくなったスーツのベルトをゆるめ、帰宅した私なのでした。