つい先日、カフェ経営者やケーキ屋さんのパティシエに「千種区でおすすめのケーキ屋さんってありますか?」とものすごく失礼な質問をしてみたところ、「千種区ならあそこかな」と、とあるお店の名前を挙げてくれました。
「ウチだよ」と言われることはありませんでした。みなさん誠実なのか不誠実なのか分かりません。正直者であることは間違いなさそうですが。
それはともかく、そのお店とは東山線今池駅から徒歩2,3分ほどの位置にある「Le Chapon Fin(ル シャポン ファン)」さん。大通り沿いに面している、かなり素朴な外観のお店です。
正直な話をすると、ここにお店があるのは知っていましたが、見た目があまりにも普通のケーキ屋さんだったため、今まではなかなか寄ろうとしていなかったのです。失礼極まりない話ですが、本職の人がお勧めするケーキ屋さんと聞いては行ってみるしかありません。
さっそく店内に入ってみると、やっぱりそこは素朴な内装。焼き菓子コーナーにケーキコーナー。その足元に一組分だけイートインスペースのようなテーブルが置かれています。パッと見ですが、昔ながらの和菓子屋さんと似た雰囲気。
ショーケースに並んでいるケーキのラインナップは「ちょっとこじゃれたケーキ屋さんならよく見るラインナップ」といった感じ。チーズケーキにタルトフレーズ、クラフティからフロマージュ。
でも、画像じゃ分からないかもしれませんが、現地で実際に眺めてみると、すごく素朴なのにおいしそうに見えるんですよね。これが不思議。
ケーキ類は400円前後でシュークリームが大体200円ぐらいだったでしょうか。今回は「フロマージュ」と「タルトフレーズ」、それと「シュークリーム」を購入して、さっそく自宅に持ち帰り。
まずは、運ぶ途中に崩れてしまったフロマージュから。移動手段が自転車だからね、ごめんなさいね……。
まず一番に感じるのは、濃厚なチーズの香り。口の中に入れる前からブワッと香るチーズです。味も香りそのまま、いい意味で重たさを感じるずっしりとしたクリーミーなチーズ。ソースの酸味とよく合います。なめらかさが本当に素晴らしいケーキ。
いちごのタルトは、まずなにより苺がはじけるような甘みと酸味なのが良いですね。いくらブランドものの苺を使っていても、ときどき全く味がしないタルトもありますが、こちらのものはしっかりとフルーツの甘酸っぱさが自己主張しています。
そしてそれを包むタルト生地とカスタード。舌の上で混ざり合う苺のフレッシュさと生地の濃厚さがたまりません。
そして最後はシュークリーム。外見からはパッと見分からないほどたっぷりとカスタードの詰まったシュークリームです。タルトの時は、苺の酸味が目立ったためあまり強さを感じませんでしたが、シュークリームとしてカスタードを食べるとすごく濃厚なことが分かります。
素朴で、それでいてギュッと中身の詰まったカスタードはなかなか味わうことができません。しっとりとしたシュー生地もこのクリームによく合っています。
本当に美味しかったです。ごちそうさまでした。
パティシエが選ぶケーキ屋ということで、いったいどんなケーキが出てくるのかと思いましたが、ものすごく質素で、それでいて素材の良さや作りの丁寧さを感じるケーキでした。
最近は、煌びやかなケーキや香り豊かなケーキ、軽めのケーキが人気ですが、個人的にはこういった作りの丁寧さと素材の良さが見えるケーキって大好きです。「あー、食べたな」と静かな満腹感に浸れます。
もし毎日食べられるケーキがあるとしたら、こういうケーキだと思うんですよね。
皆さんも、機会があればぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
以下に、Le Chapon Finさんの情報を記載しておきます。