築地市場で食べた虎杖の海鮮ひつまぶしはウニの濃厚さがたまらない一品でした

「関東で海鮮を食べた」と言えば、多くの人がまず一番に思い浮かべるのは築地と言っても過言ではないでしょう。少なくとも、海鮮に関してその知名度で全国的に上回る場所はそうないはずです。

 

父との東京旅行もこれで最後。午後には九州へと帰宅してしまう父を連れて、築地市場へと向かいました。

 

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築地市場に訪れたのは初めてですが、なんというかめちゃくちゃ下町チック。狭い路地に所狭しと並び続ける海鮮丼やお寿司のお店たち。活気のある声がそこかしこから聞こえてきます。

 

それにしても外国人が多い。「築地市場なんて日本人ぐらいしか訪れないだろう」と思い込んでいたのですが、日本人 : 外国人の割合が1:1ぐらいしかないのではないかと思うほどそこかしこで何語か分からない声が聞こえてきます。

 

生の海鮮文化は、意外と日本人以外にも受け入れられているようです。

 

下町と異国語が混ざったかのような不思議な雰囲気の築地を散歩しつつ、私たちも適当にご飯を食べられるお店を物色します。とはいえ、あまりにも海鮮丼屋さんが多すぎて、下調べ無しではキツイぐらい。

 

とはいえ、飾られているメニューを見てみれば、一店一店少しずつ自分の店のオリジナル色を出しているよう。載せてある具材を変えてアピールしているところもあれば、調理法がちょこっと変わった海鮮丼も。

 

お値段はどこも1000~2000円といったところでしょうか。海鮮丼として考えれば、まあお手頃なお値段だと思います。

 

迷いに迷いましたが、今回はなんとなく外見の雰囲気が良さげだったということで、“本まぐろ一本買い”の看板が目立つ「虎杖」さんに決定。表にはまぐろの頭がズドンと置かれ、店内では一本丸ごとまぐろ様がご鎮座されています。

 

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奥には広いテーブル席もありましたが、今回は父と2人での来店ということでカウンター席へと案内されました。目の前では職人さんがマグロを一枚一枚さばいていらっしゃいます。

 

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普通の海鮮丼にしようかとも思いましたが、せっかくですのでここでしか食べられないものをオーダーしようと「海鮮ひつまぶし、うに特盛(2762円)」を注文。すると間もなく、ドンと目の前に大きな海鮮丼の桶が置かれました。

 

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こちらのひつまぶしには食べ方があるということで、目の前にいらっしゃる職人さんが一つ一つ丁寧にその食べ方を教えてくれました。この海鮮丼の食べ方は大きく分けて3つ。

 

まずはわさび醤油を作り、海鮮丼全体にかけます。この状態でウニを避けながら、半分ほど海鮮丼を食べます。

 

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個人的にはこれだけでもイクラのプチプチと海鮮のねっとりとした食感が楽しめる一品で、これだけでも何杯でもいけそうなぐらい美味しい丼。とはいえ、この丼にはまだ続きがあります。

 

今度は半分残った海鮮丼とウニをよく混ぜ合わせウニご飯を作るのです。この時、ウニで完全に黄金色になるまで混ぜ合わせるのがポイントなのだとか。私の不器用な手つきを見かねて目の前の職人さんがキレイに混ぜてくれました。

 

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最後のひつまぶしの分を少しだけ残して、ウニご飯を食べるのですが、これがまた濃厚。そしてクリーミー。海鮮丼というより海鮮のリゾットを食べているかのような濃厚さに感動しました。

 

そして最後は残ったウニご飯に出汁をかけ、ひつまぶしの完成。見た目はあまり良くありませんが、かんぴょうなどのお出汁の効いた美味しいひつまぶし。さきほどまで口の上に後味が残るほど濃厚だったウニご飯も出しで食べるとサラリと食べられます。

 

本当に美味しかったです。ごちそうさまでした。他のお店に寄ったわけじゃありませんが、少なくともどこに入ればいいのか分からない方がいらっしゃったら、こちらのお店で海鮮を食べて損はないと思います。

 

腹を満たした後は、「これで満足したし、さて帰ろうか」と帰宅の途に着いたのですが、その途中に気になるお店を発見。卵焼きと書いてあるそののれんの下に多くの人が行列を作っていたのです。

 

そのお店の名は「山長」さん。腹の具合はなかなかだったのですが、「卵焼きぐらいなら食べられるだろうし、せっかくここまで来たのだから」という父の言葉で購入を決定。

 

まあ、父が卵焼きを大好きなだけなんですけどね。家族だと食の好みも知っているので、そんな父を見てなんとなく微笑ましい気持ちになります。食べたいなら素直に食べたいと言えばいいのにね。家族だからこそ余計に素直になれないのかもしれませんけど。

 

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行列ができていたのは食べ歩き用の1本100円の卵焼き串でしたが、今回は父の飛行機の時間が迫っているということで、並んでいる人のいなかったお土産用の卵焼きをオーダー。

 

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食べ歩き用の温かいものとは違い、冷えている卵焼きです。とはいえ、それでも十分なほど美味しい。出汁の味が十分に効いています。そしてなによりボリューミー。

 

海鮮丼を食べた私にとっては1本でもかなり苦しいほど。これが100円で食べられるなら確かにお安い。異常なぐらい美味しいというわけではありませんが、安定した安心の卵焼きが食べられると言えばいいのでしょうか。

 

せっかくなら次は温かい串の卵焼きを食べてみたいものです。ごちそうさまでした。

 

そんなこんなで父と私の東京観光は終了。築地市場の駅から2人揃ってそれぞれの家へと帰っていきました。

 

東京を本格的に観光するのは初めてだったのですが、やっぱりいろんな施設があるだけあってやはり楽しいものです。

 

田舎生まれの父には鉄道の乗り換えなどシンドイところもたくさんあるようでしたが、食の街、サブカルの街、ファッションの街と、街によってその見せる表情が違うのは、やはり人の多い東京ならではだと思います。

 

また機会があれば東京の観光をじっくりしたいものですね。