少し前に、どうぶつの森シリーズの「ハッピーホームデザイナー」を買ってきました。
どうぶつの森とは違って、ひたすらインテリアやエクステリアを改造していくというゲーム。家具を集める楽しみや、村での暮らしといった自由度こそ無くなりましたが、エクステリアも変更できるという仕様は、個人的にけっこう楽しかったです。
なんとなく、本作は次回作に備えていろいろなシステムにチャレンジしたという印象が強く、これ単体でめちゃくちゃ面白いというわけではありません。あくまでファンディスクという感じ。
ただ、今後のどうぶつの森にこういった機能が実装されるのかと思うとけっこう楽しみだったりします。特に、エクステリアを自由にレイアウトしたり、公共施設を自分で作ったりといった機能は次回作にもぜひ実装して欲しい。これは楽しかった。
ハッピーホームデザイナーには予算が無い
さてさて、最近私は名古屋に自分の事務所を立ち上げたのですが、それにあたって事務所の内装もいろいろと変更しました。
そのせいもあって、ハッピーホームデザイナーに最近さわれていません……。それに、事務所のレイアウトを考えているときにどうしてもハッピーホームデザイナーと現実を比べてしまいます。
まず、現実世界には予算があります。「いや、当然でしょ」と思われるかもしれませんが、ハッピーホームデザイナーと一番比べてしまうところと言えばそこです。
そのため、イームズのイスを置きたいのに、イームズのリプロダクト品というパチモン同然の家具を置いたりします。他にも、予算内で収まるように適当な家具を買い、引き戸部分をアンティークの引き戸だけネットで買って取り替えます。DIYなど、安く済ませるための創意工夫が満載です。
本家のイームズは知りませんが、リプロダクト品は微妙に家具のパーツがゆがんでいて、作る時にものすごく手間がかかるんですよね。安物はやはり安物です。
そんなとき、「ハッピーホームデザイナーみたいにカタログを開いたら無料で家具が出てこねえかなあ……」などと思ってしまうわけです。ゲーム脳です。いや、ある意味ゲームと現実の区別が残酷なまでについているので、反ゲーム脳です。
ハッピーホームデザイナーには入口の仕切りがない
それに、都会のビルの一室を事務所に変えていると色々な制約が出てきます。当然ですが、ゲーム世界のように壁をいきなりぶち抜いて家具を張り付けたりはできませんし、壁紙や床を総張り替えなんて大胆なこともできないわけです。
それに、部屋自体の広さはそれなりでも階段や入口が大きくないので、搬入できる家具のサイズも限られます。ゲーム内では、明らかに入口より大きな家具をひょいひょい室内にぶっ込んでいるわけですが、彼らは一体どんなマジックを使っているのでしょうか。
私だってね、めちゃくちゃ大きなソファをででーんと窓際に置いてリラックスルームを作りたいわけですよ。でも、そんなことは現実ではできないのですよ。
……持ち運びが辛い。……腰が痛い。
ハッピーホームデザイナーには〇〇がない
他にも事務所のレイアウトをやっていると思うところがたくさんでてきます。
「ハッピーホームデザイナーには電流の概念が無いし、ブレーカーのことなど気にせず好き勝手に電化製品が置けるんだよなあ」
「激落ち君やクイックルワイパーを買ってきて、事務所をピカピカに磨くなんてことはしなくていいんだよなあ」
「業務用クーラーの取り付けに50万も払ったりしなくていいんだよなあ。しかも夏だからと言って待たされることもないんだよなあ」
と、完全に私の愚痴ですが、ハッピーホームデザイナーのことがだんだんと小憎たらし……いや、羨ましく思えてくるわけです。
そういうこともあって、最近はハッピーホームデザイナーをさわれていません。
事務所作りにはこれがある
まあ、ここに書いてある愚痴はほとんど本音ですが、それだけに自分の事務所が出来上がっていく感動もひとしおです。
たった数十分のモニタータッチで全てが出来上がってしまうゲームとは違い、家具の選定から搬入、レイアウトまで全て自分でやった事務所ですから、かかった時間も思い出の量もケタ違いです。
最初は、「事務所作りなんてアンハッピーホームデザインだ」なんて書こうと思いましたが、思い出してみれば、意外とそう悪くないことに気づきました。
予算の範囲内で工夫し、自分の手で作り上げていく喜びには適うものはないな、と。もちろん、ゲームにはゲームの良さがあるのですけどね。
基本的に、事務所のレイアウトはもうほとんど済んでしまったので、あとは細かい部分を修正していくだけ。猛暑の中で、3,4リットルの水分を毎日消費していた日々ともお別れです。
それが終わったら、また改めてハッピーホームデザイナーで自分の好きなレイアウトをいじりまくることに没頭したいと思います。