大学院を修了してからはや2年。
ニートになることを決めたあの年からもう2年です。
昨年はニートになってからの1年間を振り返るなんて記事を書いていましたが、確定申告をして今年の事業経過を振り返っている際に「そういえば今年は書いていなかったな」とふと思いいたり、振り返ってみることにしました。
ちなみに、大学院を修了してから今までのざっくりとした経歴は以下の通り。
1. がっちがちのニート
2. 単発アルバイトの日銭稼ぎフリーター
3. ブロガー
4. 店舗経営
5. 店舗拡大中(法人化目前)
今でこそ、「元ニートだった。そのあとは日雇いアルバイト生活をしていた」などというと驚かれますが、大学院時代から経営者になることを考えて準備していたわけではなかったので仕方ありません。
日雇いアルバイト生活を抜けて最初に始めたのは、ブロガーとしてひたすらパソコンに向かうこと。のんべんだらりとした生活ではありましたが、特に毎日に不自由を感じることなく、ほどほどに過ごしておりました。
大学院時代はまさか自分が独立するなんて思っていませんでしたが、「スーツを絶対に着ない仕事がしたい」「人様にとやかく言われるのが嫌い」という自分のことを思えば、ある意味当然の成り行きだったのかなとも思います。
ただ、ブログの更新だけをしていたときにふと思いました。
「私はこのまま収入が上がり続ければそれでいいのか? もっと自分が社会の中で生きているという実感が欲しくはないのか?」と。
そこでブロガーをやめ、知り合いの個人事業主さんに声をかけて、「私のもとで働いてみないか」とプレゼンをし、口説き落としてみることにしました。結果は成功。小さいながらも新たに事務所を構え、そこで事業をすることになったのです。
これが約半年前ぐらいだったように思います。
ちなみに、「個人事業主になるような人が、他人の下で働きたいと思うの?」と思われるかもしれません。実際、多くのフリーランスや個人事業主は「人の下で働くことがイヤ」で独立するので、確かに不思議なことに思えるかもしれません。
ですが、実際にはいくら黒字を出していても、個人事業主から雇われの立場に戻りたいという方は少なからずいらっしゃいます。
キャッシュ・フローの連続でプール金があまりなく、このまま続けていくことに不安を抱えていたり、自分一人で頭を悩ますことに疲れていたり、スタッフの人生を背負う重さに潰れそうになったりetc……といろいろな理由こそあれど、そういうオーナーさんはいらっしゃいます。
もし、なにか事業を始めてみたいという方がいらっしゃれば、そういうオーナーさんに声をかけてみるのも一つの手ではないでしょうか。上手くプレゼンできれば意外とのってくれるかもしれませんよ?
不慣れな経営とトラブルと周囲との関係
ただ、最初は不慣れな経営ということもあって、いろいろとトラブルもありました。当然ですが、ブロガーとして個人で動いてきた自分にとって「他人と仕事を進める」のはそれほど簡単なことでもなかったのです。
少なくとも法的に部下であるスタッフは、年齢も実務経験も私より圧倒的に上。まずは雇用関係や事業の方向性についてのすり合わせが必要と、「給料はいくらほしいか、将来的にどんな事業にしたいか」といったことを徹底的に話しました。
逆に、スタッフからはその分野の知識や技術についてザッと教えてもらい、スタッフの知識や技術を一般人のレベルに落とし込んで伝えるにはどうすればいいかを一緒に考えました。
こうした経緯もあって、私はスタッフを部下というよりパートナーと捉えていましたし、相手もそう思っていると思います。不満が一切なかったとは言いませんが、お互いに思うことは吐き出せるだけの自由度もありました。
これがのちの営業活動に使うプレゼン資料などにもつながったので非常に良い時間だったと思います。
こんなことを3か月ほど続け、ぼちぼちと顧客も増え始めてきたところ、周りからも「あなたたちのやっていることは楽しそうだ」と言われることが多くなり、「傘下に入りたい」「雇ってほしい」「一緒に店舗を立ち上げよう」という声までいくつも上がってくるようになりました。
今では2店舗目を開業し、他の個人事業主の方がやってこられたお店を1店舗だけ吸収し、スタッフも合計約10人、法人化を目前にするまでに至っています。
まだまだ事業を始めてから6か月。もちろんこれがゴールなどでは決してないのですが、確定申告書の数字を見て、今のグループの関係を見ていると、少なくともあの喧嘩の日々は無駄ではなかったのだと実感しています。
法人化を予定しての振り返り
とはいえ「複数店舗を運営したぐらいじゃ、世の中に影響を与えているという実感はまるで持てないし、思っていたよりはるかに頭を悩ませることが多い」ことが分かりました。
ネットの外に出るまでは、「複数の店舗を持って、それを運営しているオーナーさんってさぞかし豪胆な精神の持ち主で、裕福で、野心に溢れた悩みの無い生活を送っているのだろうな」と思っていました。
でも、自分がいざその状況になってみると、一番に考えるのは「スタッフをこの先どうやって食わせていこうか」というその一点だけ。本当にプレッシャーです。
もちろん、現状ではそれができていますし、頭の中の通りに物事が動いてくれるのであれば、事態はより好転していくと思います。とはいえ、不安が消えるわけではありません。
自分のことはどうでもいいんです。最悪、裸一貫になろうとまた文無しから戻ってくる自信はあります。でも、スタッフはそうはいきません。自分で言うのもなんですが、裸一貫になった状況から戻って来れる人はそう多くありません。
法人化という一つの区切りが視野に入ってきて、急に後ろを振り返ったら思っていた以上の荷物を背負っていた感じ。これがまたキツイ。止めたくなる事業者さんがいらっしゃるのも分からなくはありません。
ただ、それでも私を信じて付いてきてくれた人たちがすでに10人近くいるわけです。しかも、自分よりみんな年上というオマケつき。
当然と言えば当然ですが、私のような若造が事業を立ち上げれば、アルバイトスタッフを除くと被雇用者はみんな年上の場合が少なくありません。よっぽど新卒を自社で育ててやれるような体力のある企業じゃなければ同じような状況でしょう。
彼らの年齢やこれからのことを考えると、今さら後には引けません。妻子がいるスタッフだっていますし、私の責任は決して軽いものではありません。
これから新しい年度が始まります。
また気合を入れ直して、2016年度を生きぬいていけたらなと思います。