鶴舞駅のランチで出会った不思議なとんかつ屋さんが面白かったのです
名古屋はテレビで何度も取り上げられるほど、ドカ盛りグルメに関してはメジャーな街のひとつです。
今回は、そんなドカ盛りグルメを出しているお店の一つに行ってきました。鶴舞駅から徒歩5分ほどの位置にあるとんかつ屋「気晴亭」さんです。
こちらは、あの黄金伝説にも取り上げられたという名古屋のメジャー級デカ盛りグルメ店なのだとか。裏路地にあり、ここにお店があると知っていなければ中々たどり着けそうにもない場所にあります。
さっそく店内に入ってみると、デカ盛りグルメの店にあるまじきオシャレさ。カウンター席やワインもあり、店内にはジャズのBGMまで流れています。 とんかつ屋というより、洋食系のレストラン&バーのようですね。
それにしても、お洒落さの中に全体的に紛れ込んでいる奇妙な雰囲気が面白い。レトロな店内のそこかしこに置かれた家庭用の扇風機や、レジにずらっと紙を並べて計算している店長。極めつけは、テーブル横に置かれた「お約そく席」というボード。
「予約席を変わった呼び方でもしているのかな?」と思いきや、その隣にはちゃんとご予約席というボードが立っています。なんだろう、大阪的な笑いでも求められる席なんでしょうか。
いや、私としてはこの洗練されきっていない感じも好きですけどね。昔ながらの洋食屋さんなんかによくある空気で、どこか懐かしい感じがします。
さっそくメニューを開いてみると、どうやらドカ盛りメニューは事前予約必須とのこと。というか、総重量3kgって私1人で食べる量ではありませんね……。今回は潔くあきらめて、気晴ランチ(998円)をオーダー。何が出てくるかは全く書いてありません。
しばらく待っていると、次から次へとおかずが運ばれてきました。醤油ラーメンに和風ハンバーグにデミグラスソースのチキンカツに揚げしゅうまいと、テーブルを埋めるほどのおかずたち。ミニラーメンやミニハンバーグじゃありませんよ。全部ガッツリ普通のサイズです。
というか、この取り合わせはなんなのでしょう。なんとなく和洋中を揃えてみましたといった感じ。いや、面白いですけどね。
まずはラーメンを一口飲んでみると、口の中に広がる玉ねぎの甘み。驚きです。ラーメンというよりはコンソメスープっぽい作り方ですが、味はしっかり醤油ラーメン。これは興味深い。
ハンバーグも、表面がカリカリで結構美味しい。最初は普通のハンバーグかと思って一口食べてみたのですが、表面には衣を薄く付けてあり、揚げハンバーグのような仕上がり。最初は驚きましたが、意外と悪くありません。
そして、デミグラスソースのチキンカツもサクサクとした衣が美味しい。これはさすがのとんかつ屋さんです。
それにしても、量がかなり多い。ドカ盛りのお店だけあって普通のメニューでも1.5人前ぐらいは軽くあります。しかも、一杯まではご飯のお代わり無料。これには大食漢の私も思わずにっこり。苦しくなったジーンズのチャックの代わりに頬が緩みました。健康診断なんてものは知りません。
全体的にとんかつ屋さんというよりは、昔ながらの洋食屋さんといった感じで美味しかったですよ。メニューも一つ一つにお店独自のアレンジがくわえてあって、いろんな意味で普通のお店とは違う良いお店だと思います。ホームページによると、みぞれとんかつを全国で初めて生み出したのもこちらのお店だそう。
レビューなどを読んでいると、接客が良くない的な話もありましたし、確かに独特のクセはあります。でも、こういうのは接客の悪さではなくてお店の味だと思うのです。高級料理の接客や画一化されたチェーン店の接客ばかりが良い接客ではないと思いますしね。
こういった変なお店って最近なかなか見なくなったので、ドカ盛りは別にしても今後ともぜひ残って欲しいです(ちなみに、こちらのホームページも目に強いダメージを与えてくる昔ながらの作りで面白いので興味のある方は調べてみてください)。
ごちそうさまでした。
以下に、気晴亭さんの情報を記載しておきます。