初めての事務所開業は準備も手続きも分からないことだらけで緊張と興奮の連続でした

先日、個人事業主として事務所を持つため、将来的には法人化も視野に入れたうえで事業用賃貸を探していることをご報告しました。

 

 

不動産を持っている知人が賃貸を貸してくれるという話もあったのですが、結局その方を頼るのは止めにしました。家賃は融通してくれるとのことだったのですが、それ以上にビジネスの話となると、人間関係に亀裂が走りうる可能性があったからです。それに法人化も考えるとなると、いろいろとリスキー。

 

知人だからと言っておんぶに抱っこはいけません。

 

それからも賃貸を探し続け、先日やっとの思いで事業用の賃貸を借りることができました。事務所として開業するための準備も整ってきたので、改めてその過程をご報告させていただきます。

 

あくまで本当に何も分からない素人が手探りで経験し、知り合いの個人事業主や社長さんに尋ねながらやってきたことなので、本当の開業初心者向けです。

 

私の場合、なにもかもが初めてでめちゃくちゃ苦労したので、開業を考えている他の方の参考になればと思います。

 

事務所可の賃貸探し

まずは何と言っても賃貸探し。結局のところ、ここに一番の時間を使いました。

 

事務所といっても外部から人を呼びたかったので「賃料が安価で」「駅からのアクセスが良く」「できれば内装の造りが良い」ことを個人的な希望にしていました。……う~ん、わがままリクエスト。

 

文字にすると贅沢な話です。でも、多くの人は同じような希望を持っていることでしょう。幸運なことに、私はこれ以上ないという物件を発見することができました。

 

ただ、幸運とは言っても賃貸探しは事務所開業のキモであり、最も長い時間を費やしたことには違いありません。私のつたない経験から感じた「条件の良い物件を探すコツ」として重要なことは以下の3つ。

 

  1. 足を使って街中を歩き、テナント募集の張り紙を見たら管理会社をメモ
  2. 人脈をフル活用し、自分のしたいことを色々な人に話す
  3.  大手ではなく地域の不動産を回る

 

これをずっと実践し続けていた結果、「駅から徒歩数分で家賃は相場の半額以下、内装はリフォームしたて」という好条件の物件を見つけることができました。

 

本当に幸運過ぎるとは思いますが、名古屋ぐらいの都市だと「昔から土地やビルを所有しているけど、別に管理維持に関心があるわけではなく、遊ばせておくのももったいないからなんとなくテナントを募集している」という大家さんがけっこういらっしゃいます。

 

こういった大家さんは昔からの繋がりで地元の不動産にだけ情報を提供していたり、知人の信用だけで賃貸を貸していたりします。安価で駅チカといったワガママ物件を見つけるなら、こういった大家さんや不動産を探すのも一つの手ではないでしょうか。

 

ちなみに、事務所という形態ならあまり気にしなくても構いませんが、「分電盤はエアコン用と家電用で分かれているか」「水回りの設備はどうか」「ガスはきているか」「壁の打ち付けなど内装はどこまでいじれるか」「店舗の前の人通りはどうか」なども気にしておくと良いと言われます。

 

電気屋との交渉

さて、賃貸が決まったら同時並行で色々なことが進んでいきます。まずは電気や水道などインフラの契約です。とはいえ、大きなトラブルがなければここは基本的に電話をかけたり立ち会うだけなので、そんなに困ることはないでしょう。

 

ただ、「何アンペアの電流が流れているのか」だけはきちんと把握しておいた方が無難です。普通の事務所ならおそらく問題はないでしょうが、消費電力の大きい家電をいくつか併用するつもりであれば、最低でも30アンペアの電力は必要になります。

 

自分がどのぐらいの電力を使うのか、どのぐらいのアンペアを契約したほうがいいのかといったことは事前に把握しておいたほうが無難です。

 

家具はどこから仕入れるか?

オフィス家具で最もポピュラーなのはアスクルでしょう。というか、オフィス用の家具と言えば、ここしか思いつかないという人も少なくないはず。

 

ただ私の場合、あまりにもオフィスらしい事務所にはしたくなかったので、カジュアルな家具を探していました。

 

オンラインの家具はそれなりに高いので、「名古屋市内で安くてオシャレな家具のお店はないか?」と尋ね回りました。すると、名古屋では大須周辺に「arne(アーネ)」というオシャレな家具屋さんがあるという情報が。本当に知り合い様様です。

 

実際、arneに行ってみたのですが、確かにお洒落な家具がたくさん。しかも、かなりお安い。事務所などはカンケイなく、こちらのお店は個人用としても利用したいですね。おすすめです。

 

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あとは、ネットでイームズのリプロダクト製品を使って家具を揃えました。イームズはご存じのとおり、インテリア本などでも有名なデザイナーズ家具ですが、版権が切れてしまったものもあるのか、安価なレプリカもたくさん出回っています。

 

もちろん正規品に比べれば品質は落ちますが、とりあえず形だけでも揃えておきたいというのであれば、利用しておいても良いのではないかと思います。ただ、あくまで非正規のレプリカになるので、会社によってかなり品質や見た目にバラつきが出るのは理解しておいたほうが無難だと思います。

 

ちなみに、開業資金があまり潤沢でなかったり、たまにしか使わない機材などを使用する場合、リースを検討することもあると思います。特に、エアコンや事務機器などはリースで済ませる人も多いでしょうし、私自身もリースを検討していました。

 

ネットのリース業者でも構いませんが、リースの場合はメンテナンスなどが必要になることもありますので、できるなら近場の信頼できる業者に依頼できないかも検討するとよいでしょう。

 

保険屋にも話を通しましょう

賃貸契約をする際は火災保険への加入が必須です。不動産会社や大家から指定の火災保険への加入を強制された場合には仕方ありませんが、そうでないならば自分で火災保険に加入する必要があります。

 

ただ、本当の初心者にはこれが全く分からない

 

ネットでも火災保険一括見積もり依頼サイト などがありますが、そもそも何のために火災保険にはいるのかをしっかり理解していないし、選び方なども全く分からないわけです。

 

ということで、私は知人の個人事業主に尋ね回り、その地域で一番おすすめの保険屋さんを教えてもらいました。

 

今回は保険料金そのものよりも、「トラブルがあった時、どれだけ事業者側の立場で対応してくれるか」「迅速な対応をしてくれるか」「契約内容の説明が丁寧で分かりやすいか」などを重視し、慎重に検討を重ね、あいおいニッセイさんに依頼することに決定。

 

他の地域ではどうか分かりませんが、少なくとも他の事業者さんの話を聞く限り、私のエリアの担当さんはとてもおすすめだという話でした。実際、私の印象も好印象で、ぜひこの方に任せたいと思うほど。

 

保険内容や金額もそうですが、やはり保険は「担当が頼れる人かどうか」がかなり大きなウェイトを占めるので、個人的には地域の事業者さんたちに評判の良い保険屋さんをリサーチしておいて良かったと思いました。

 

ちなみに、大家さん指定の保険がある場合でも、できる限り自分で選んだほうが良いです。保険に対する理解度も圧倒的に変わってきますし、なにより保険屋さんとの直接の面識ができます。

 

「保険内容のこのサービスはどういう意味があって、どういった場合に適用できるか。不要なサービスはないか」なども書類を見ながら詳しく聞けるので、特に私のように何も分からないという人は保険屋さんとのコンタクトを取っておいたほうがいいでしょう。

 

まとめ

だいたいこれで事務所の場合は開業の準備完了といったところではないでしょうか。あとは開業届や各種書類を役所や税務署に届け出れば、晴れて事務所のできあがりです。

 

実は、私の事務所の場合はこれ以外にも細かい内装の変更やクーラーの導入などいろいろとトラブルがあったため、上に書いた内容だけではすぐ開業とはいかなかったのですが、少なくとも大ざっぱな流れとしてはこんな感じ。参考になったでしょうか。

 

きっと多くの方は入念に開業の準備をされるのでしょうが、私の場合、本当に行き当たりばったりだったので、周りの人に何度も助けてもらいました。

 

というか、上に書いたことを改めて読み直すと、他の事業主さんや社長さんに聞いてばかりですね。まあ、そのぐらい適当でも事務所は構えられるということでもあり、最後に助けてくれるのは身近な人間だということです。

 

……そういうことにしておきましょう。決して、私の計画性がないとかそういうことではありません。

 

まあ、でも真面目な話、初めての事務所開業なんて分からないことばっかりだと思います。それに、状況が一つ違えば開業のやり方だって全く参考にならないこともママあるでしょう。

 

私も何冊か個人事業主向けの本を読んでいたのですが、実際にはあまり役に立たない知識のほうが多く、本には書いていないトラブルに出会うことのほうが多かったように思います。

 

ただ、だからこそイロイロな人に聞き、助けてもらうことはとても重要です。今回は最初から最後まで周囲の人たちに感謝しっぱなしでした。事務所開業において最も重要な準備は、それを助けてくれる人脈作りだとも言えるかもしれません。

 

これからもこういった人たちとの繋がりは切れないように繋げていきたいものです。