栄の高級日本料理屋「砂月」さんのおまかせコースが美味しかった話
先日、知り合いのオジサマにご飯に誘われました。場所は日本料理屋さんとのこと。最近覚えたばかりの付け焼刃のテーブルマナーがうなるチャンスだと、私はそのお誘いを快諾しました。
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そのお店の名は「砂月(さつき)」さん。名古屋の中心地である栄駅から徒歩数分の位置にある料理屋さんです。のこのことオジサマの後をついていくと、なんだか怪しげな雰囲気のビルの中へと案内されました。
オジサマ……なんだか高そうなお店がいっぱいならんでますよ。
基本的に小市民な私は、びくびくしながらオジサマの背中を追います。そんな通りを少し歩いたところに目的地であるお店ののれんを見つけました。
「懐食 砂月」
ここです。早速のれんをくぐります。
そこには、白を基調とした店内に朱や紺を少しずつ配置された可愛らしい空間が。日本料理の店と言うと、どうも堅苦しい雰囲気が付きまといますが、こちらはそんなこともなく穏やかな柔らかい印象。大将や女将さんも優しげな方でステキな空間です。
さっそく席に着くと、女将さんから「何を飲まれますか?」とのお声が。自分の好きなお酒を頼んでも良いのですが、よく分からないので女将さんに「すっきりとしたお酒でおすすめのものを」と注文。
出されたのは、奥という愛知県の微炭酸の日本酒。ほんのりとした自然の甘みがありつつ後味はすっきりとした素敵な食前酒でした。
オジサマによると、オーダーはもうおまかせコースで通してあるとのこと。食前酒を飲み終えると、すぐに目の前に料理が運ばれてきました。
ビシソワーズに、スズキのあぶり焼きに、車エビのしんじょに、変わり種のあなごの燻製に、焼きハモとおにぎりのお茶漬け。どれも美味しかったのですが、個人的に特に感動したのがお造りのお味。
あまりの感動に写真を撮り忘れてしまったのですが、鮮度もさることながらその食感がとにかく素晴らしい。なかでもイカの食感に関しては、一切れの刺身のなかに柔らかい部分とコリコリとした弾力のある部分がそれぞれ再現されており、一切れで色々な食感を楽しめるお味でした。
“鮮度で食べさせるお刺身”は何度も味わったことがありますが、“技術で食べさせるお刺身”は初めて食べました。「刺身の味は鮮度で全てが決まるだろうから港町の刺身が一番美味いに決まってる」なんて決めつけていましたが、これは確かに調理人の技術です。
そして最後は桃のシャーベット。
シャーベット部分のモモはほのかな酸味がありますが、生のももは甘~い黄桃。ほんのりとした香りと甘酸っぱさが味わえる一品で口の中をさっぱりさせ今日の食事は終了。
コースの料金は、お酒を三杯に追加の小料理を二品ぐらいずつ頼んで、二人で諭吉さんが三人は飛んで行かないぐらいでした。
大学時代の私は、諭吉さんが一食につきお一人財布の中から行方不明になるような料理屋さんに行くことは一生ないだろうなと考えていましたが、あっさりと夢がかなってしまいました。
オジサマ、ごちそうさまです。本当に美味しかったです。正直、付け焼刃のテーブルマナーはもろくも崩れ去りましたが、そんなことがどうでもよくなるぐらいに美味しかったです。
親をこういうところに連れてこれたら親孝行と呼べるのでしょうが、そんな時がいつ来るのやら……。皆様も、もし機会があれば「砂月」さんを訪ねてみてはいかがでしょうか。
おまかせコースもおすすめですが、単品でも料理を頼めるので、お酒を頼んでも6000円前後に抑えることもできると思います。ちょっと気合いを入れて人を呼びたいという時にはおススメですよ。
以下に、砂月さんの情報を記載しておきます。