外国人が入ってどう変わる!?最近の国内ホテル事情に思うことまとめ
最近、いろいろなところで日本のホテル事情についてお話をうかがうことがあります。そういった話を聞いていると、現在の国内ホテルは様々な面でこれまでのものとは変わりつつあるようです。
ただ、どの話を見ても大きく関わってくる重要なキーワードが「外国人の参入」。今、日本のホテル業界は外国人の参入によって一つの変化を迎えています。
中・韓国人ホテル客の増加
最近、ホテルや観光施設を紹介するサイトを運営している企業の担当者から面白い話をうかがいました。
「国内のホテルはビジネスホテルを中心に、中国人や韓国人ツアー客が2ケ月前ぐらいにおさえてくるので、予約は3か月前にしたほうがいいですよ。早めに予約を取っておけばキャンセルしても大丈夫ですから、旅行の日程が分かっているなら早めに予約しておくことをおすすめします」と。
皆さんも、ここ最近ビジネスホテルの朝食バイキングに行ってみると、周りの人は自分の聞き慣れない言語で話すアジア人ばかりだったという経験はないでしょうか。
少し前までも、少数の欧米やヨーロッパのような国の外国人がラウンジにいることはありましたが、ここ最近は日本人より中・韓国人のほうが多いという日も少なくありません。
そういった理由もあってか、早めに予約すればビジネスホテルと高級ホテル・旅館の宿泊値段は1000か2000円程度しか変わらない場合もあることから、最近では高級な宿泊施設を使うユーザーも増えているのだとか。
それこそ最近では、一休.comのような高級志向のユーザーを対象としたホテルや宿泊施設を中心に扱うサイトも話題を集めています。
ただ、もちろんこういった高級な宿泊施設を使うユーザーばかりではないのも事実で、ビジネスホテルに外国人ばかりいる状況を不満に思う人もいるようです。
「予約がまったく取れないと出張でお越しの国内のお客さまにお叱りを受ける。心苦しい限りです」
大阪・梅田のランドマーク「マルビル」にある大阪第一ホテルの巽智弘宿泊部長は、こう打ち明ける。
それもそのはず、1~3月の平均宿泊稼働率は98%とほぼ満室。いまや月初めの時点で、その月の8割方が埋まってしまう同ホテルでは、早くても1~2週間前に予約するビジネス客に部屋を提供できないでいる。
正直なところを言えば、私自身も事前に入念な計画を立てるタイプではなく、行き当たりばったりに旅行の計画を決めていくタイプなので、正直この流れはあまり嬉しくはありません。
加えて、部屋が取りにくくなるだけでも十分困るのですが、こうした流れによってビジネスホテル自体の値段が高騰しているという困った影響まで現れ始めました。『外国人が押し寄せ「ホテル不足」!? 予約困難、部屋代「急騰」も』でも取り上げられていますが、少なくとも割引がどんどんなくなってきており“適正価格”に戻りつつあるとされています。
そして、2020年に東京オリンピックが開催されることによって、この流れはさらに加速することでしょう。
株式会社日本政策投資銀行によると、“観光客に占める外国人の割合は、訪日外国人が2020年に2000万人、2030年に3000万人という政府の目標を達成した場合、2030年には5割近くになるなど大きく上昇すると推計され、この変化に対応できるかどうかが、今後のホテルの優勝劣敗の一要因になる可能性がある” とされています。
出典: www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1406_02.pdf
こういったニュースを見ていると、ふと「今後も青春18切符を買って、思い思いの土地にぶらっと旅するなんて旅行が継続できるのかな」と不安を覚えてしまいます。
ホテルスタッフの外国人の増加
また、宿泊客に外国人が増加しているだけでなく、ホテルスタッフにも外国人が増加しているようにも思います。つい先日も、ホテルのフロントが全員外国人スタッフだったこともあって、ホテル側の人員もコンビニみたいになってきたなあと思ったところです。
こうした状況に、大手ビジネスホテルの一つである「東横イン」を利用し続けている外国人観光客は以下のように話しています。
10年前から同ホテルを利用しているというシンガポールの厳宗豪(ゲン・ソウゴウ)さんは、「最初に訪れた頃は英語が通じず身振り手振りで何とかコミュニケーションをはかっていたが、今は英語を話せるスタッフが多い」と話す
ただ、私個人としては外国人のフロントが増えることについて思うところが無いわけでもありません。
つい先日も、日本語の聞き取りが難しいのか、予約の名前をフロントで話すときに何度か繰り返し言わなければいけないのが少し難点でした。航空券を発行するように、名前を入力するだけで色々な手続きを簡略化できるシステムがあればすごくありがたいんですけどね。
そして、こうした外国人スタッフの増加によって一番不安を覚えているのが、現在ホテルで働いている日本人スタッフの人たちです。ホテルのフロントの話ではありませんが、たとえば以下のツイートなんてまさにその1つ。
パート先(ホテル清掃)から、日本人が次々に辞めていく。 今や外国人労働者に辛うじて支えられている状況 国籍はいろいろだが英語を多少使える人が比較的多い。 このままだと職場の公用語が英語になりかねない。 一流企業も社内公用語が英語になりつつあるが、ド底辺職場もそうかもしれない。
— アラフォー・フリーターの脱・競争人生 (@hnhk1) 2015, 6月 12
英語が苦手だったスタッフたちは今後、どのようにして職場でコミュニケーションをとっていけばよいのでしょうか。
先日、日雇いアルバイトや派遣などでも英語能力を求められることがあることをお話しましたが、英語はいまや「持っておくと一流企業への道が開ける」ものではなく「持っていないと働き口が無くなっていく」ものに変わりつつあるようです。
こうしたホテル業界の変化を見ていると、日本の変化そのものが現れているようで、改めて自分の在り方について考えさせられます。こうした変化の中で、自分にはなにができるのでしょうか。そして、自分の身の回りにはどんな変化が起きてくるのでしょうか。
まだ、私には予想もつきそうにありません。