リツイートよりも、シェアよりも、はてブよりも、たった一つのpocketが嬉しい時

皆さんはpocketというツールをご存じでしょうか。

 

簡単に言えば、もう一度見たい記事や後で見たい記事を保存しておくためのツールのことです。

 

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↑こういうピンクのアイコンを見たことがあれば、それがpocketのアイコンを指しています。

 

ちなみに、ツイッターやFacebook、はてなブックマーク、Google+とは違い、このツールそのものには読んだ記事を拡散する機能はありませんし、誰がpocketをしたのかもサイト運営者にすら分かりません。

 

ブロガーやサイト運営者にとっては、他のSNSに比べて重要性の低いツールであるため、最初からアイコンを用意しないサイトも少なくありません。

 

もちろん、とりあえずpocketで保存してもらって後でじっくり見てもらえるという意味では、もう一度アクセスを呼べるので、実利的にも全く意味が無いというわけでもありません。

 

ただ、そういった事を除いても、個人的にはこの“実利的なメリットの少ないツール”のボタンを押してもらえることが嬉しかったりします。

 

例えば以下の記事。

 

 

この記事は今見ても明らかにクオリティが低く、全く文章も楽しくないうえ、写真も汚いという散々な記事ですが、少なくとも企画としては本気で楽しんでやったものでした。

 

もちろんSNSで拡散されることなど一切なかった記事ですが、一つだけpocketのボタンに1という数字がついていました(※現在はドメインを変えたため、表示が0になっています)。

 

多分、客観的に見れば全く面白くない記事でも、自分にとってはやりたかったことをやってみた記事で「ああ、こんな記事でも誰かが後で読もうと思ってくれたのだな」と思うと、嬉しい気持ちになったものです。

 

念のために書いておくと、私はSNSで拡散されること自体が嫌いなわけではありません。もともとブログはお金のためにやっていた側面もあるわけですから、SNSでの拡散は大歓迎です。

 

ただ、そういった実利的な報酬は一切もたらしてはくれなくとも、というより、そういった報酬を一切もたらしてくれないからこそ、私はこのpocketというツールが好きなのです。

 

他にも、たくさんのうちたった一枚だけど、いい写真が取れた記事。

 

 

ただの個人的な旅行記のワンエピソード。

 

 

こういった記事のほとんどは自己満足ですが、それでも自分としてはやりたいことをやって、楽しかった経験を文字に起こした記事でした。もちろん、そういった記事ですから、世間的には一切評価されませんし拡散もされません。

 

多くの人は個人のエピソードや旅行記などに興味はないのです。まだ適当に書いたブログ論やブログのマネタイズの方が多くの人に評価されますし、SNSにも拡散されます。

 

それでも、こういった“自分としてはやりきった記事”を書くと、SNSには拡散されずとも、必ず1人だけいつもpocketボタンを押してくれるXさんがいたのです。

 

ひょっとすると、そのXさんはいつも違う人だったのかもしれません。それでも、自分のことを話してそれをどこぞの誰かがpocketに入れてくれるという感覚はなかなか楽しいものであったことには変わりありません。

 

最近では、大体の記事を書いたらツイートされたり、はてブされるので、その後にpocketが付くことも数多くなりました。

 

ただ、そんな最近でも、自分がやりたい事をやった時って、なぜかpocketが一番に付く。そして他のSNSには全く拡散されないというパターンがあります。

 

こういう時は「拡散されなくて残念だったな」という気持ちと、それ以上に大きな「また誰かが後で読みたいと思ってくれたのか」という嬉しい気持ちが湧きあがってきます。

 

正直、お金お金とうるさく言うのであれば、「Xさんにpocketされるような記事」を書くのは止めた方がいいのでしょうが、それでもやっぱり個人的にはこういった「自己満足を貫き通した記事」というものを続けていきたいと思っております。

 

Xさんにいつ飽きられるか、あるいは大多数の人にいつ飽きられるかは分かりませんが、やっぱりそういう嬉しさがブログの醍醐味でもあると思うのです。

 

話にまとまりがつかなくなってきましたが、最近pocketの数字を見返して、ふとそんなことを思ったのでした。