実家の土地を継いで、実家の名前を継いで、実家の墓を継ぐということ

田舎に生まれた次男の私は、将来養子に出ることが決まっています。

 

誰かに強制されたわけでもなんでもなく、「名前を継ぐ人間がいないから、〇〇家(母方の旧姓)が私の代で無くなってしまうことがご先祖様に申し訳ない……」と祖母が悲しそうに言うので、「なら私が継いであげるよ」と申し出たのです。考え無しです。

 

知り合いからは「養子に出るなんてすごいね」と言われましたが、それを言ったら世の女性の大半はすごいことになります。私なんてただの個人事業主兼日雇いアルバイター。名前の中に私がいるわけでもなく、私の名前でしかないので、それが変わったところでどうなるわけでもありません。

 

ただ、こと田舎において“名前を継ぐ”とは特別な意味を持ちます。

 

結婚相手は、もちろんこちらの養子に入ってくれる女性しか選べませんし、実家の土地やお墓を継がなければなりません。ただ、結婚相手のことに関しては、最近では夫婦別姓だってできるわけですから、特に問題があるというわけではありません。

 

問題なのは“土地と墓”です。

 

先日も、クローズアップ現代で興味深い内容が取り上げられました。

 

住宅街に立ち並ぶアパート。今、新たに建てられるアパートなどの数は年間30万戸以上。3年連続で増加しています。その多くを占めているのが、大家が建てた物件を業者が一括借り上げする「サブリース」という形式のアパートです。業者から長期間家賃収入を保証すると持ちかけられ、建築する人が相次いでいるのです。

 

アパートの大家
「安心管理を強調されたので、大丈夫、大丈夫ということで。」

アパートの大家
「ここは空いていますね。
それから向こうも全部空いています。」

 

結果として供給の過剰につながり、空き部屋が急増。当初想定していた家賃収入が得られずトラブルとなるケースも起きています。

出典:アパート建築が止まらない - NHK クローズアップ現代

 

実は、私の祖母の土地も、何度もこのサブリース形式のアパート建築の話を勧められています。今は毎回断っていますし、それでいいとも思っていますが、問題は祖母がいなくなってしまった時です。

 

縁起の悪い話ではありますが、これは必ず訪れる問題です。早ければ10年、どんなに遅くても2,30年後には、その土地に住む人は誰もいなくなります。その時、私はその土地をどうするべきなのでしょうか。

 

1つの手段は、賃貸に住んでいる親戚にその土地を家ごと貸すというものです。誰もいない家など、すぐに寂れていくのは確実ですから、土地代ぐらいをもらえればそれで問題ありません。もちろん、新たなトラブルにもつながりかねないので、積極的には出したくない案ですが。

 

他にも、田舎の知人は住人がいなくなった祖父母の家を月2万円で他人に貸し出していたり、売り払ったり、それこそニュースのようにアパートにしたりしています。確かに、遊ばせておくよりはいいのかもしれません。

 

ときどき、都会に土地を持っている人を羨ましくも思いますが、まあ隣の芝生だからこそ青々と輝いて見えるのであって、いざ自分の庭に来てみれば案外雑草だらけだったりするのでしょう。残される予定の土地があるだけ御の字と捉えるべきなのかもしれません。

 

それと、土地の問題と同時に重要なのが墓の問題。将来的には、私の遺骨はその墓に入れるわけですから、墓の管理も私がしなければなりません。最近では、1万円以内でお墓参り代行サービスも出てきているので、管理も楽になってはいますが、問題であることには変わりありません。

 

これらの問題は、今すぐに降りかかるものではありませんが、いずれは必ずやって来る問題。今は、私の知識があまりにも無さすぎて“何が良くて何が悪いのかすら分からない”状態です。

 

これからは、先ほどのようなニュース記事や土地に関する本にアンテナを張って、上手くあの土地を文字通り“資産”として有効活用していけたらなと考えているところです。

 

最近では、田舎の土地をどう運用するかについての本も出版されているようなので、まずはこの辺りで勉強してみようかと思います。